絶対に負けられない。
 大学選手権出場のためには、絶対に勝たなくてはいけない。

 対抗戦5戦目となる筑波大学戦は、立教にとって大変重要な一戦であった。
ここで負ければ目標への道は断たれる。全員で戦い、信じ、そして勝つ―。思いはひとつだった。

 雨上がりの寒空の下、試合は立教のキックオフで始まった。
立教は早速見せ場を作る。開始1分、筑波アタックに鋭い低空タックルを決めたCTB梅拓也(1年・立教新座)のディフェンスでターンオーバーすると、パスをきれいにつなぐ。そしてラックからボールをもらったSO浅川健太(2年・尾道)が大きくゲイン。しかし立教のノックオンでトライには繋がらなかった。
 危ない場面も訪れる。前半4分、自陣22mでのマイボールスクラムからSO浅川がパスをもらい、ハイパントを蹴るが、そのボールをチャージされ、あわやトライを奪われるかと思われたが、なんとかしのいだ。しかし、次のプレーで筑波に先制点を奪われる。自陣ゴール前での筑波スクラム。筑波8番に抜け出され、トライを奪われてしまう。
 その後はしばらく自陣での攻防が続いた。
前半15分頃、勝ちにこだわる立教の、気迫の感じられる場面が見られた。敵陣10mでのマイボールラインアウトからBKに展開。パスを上手く繋いで前進していく。FL守本公保(3年・日大習志野)の、敵ディフェンスをものともしない力強い当たり、BKもラックを繰り返しながら着実にパスを繋ぎ、敵陣へ攻め込んでいく。
 その後ゴール前まで攻め込まれ、なんとかディフェンスで切り抜けていた立教だったが、ゴール前でのスクラムでコラプシングを犯してしまう。そこで筑波はペナルティゴールを狙うことを選択。このゴールが決まってスコアは0-10。
 ここで取り返したい立教は、敵陣へ攻め込む。途中、キックの蹴り合いになると、FB吉田直人(3年・稲毛)のキックが冴え、自陣22m付近から一気に敵陣22m付近まで陣地を広げる。そして、その地点でのマイボールスクラム。No.8安部正輝(4年・大分舞鶴)がボールを出し、SO浅川→FL守本と繋ぐ。そしてラックからSH美濃田樹(4年・尾道)→SO浅川→FB吉田と繋ぎ、吉田が敵ディフェンスをかわし、すかさず走り込んできたWTB和田聡(2年・國學院久我山)にパスを放って和田が勢いよくゴール左隅に飛び込みトライを決めた。スタンドからは大きな歓声が上がった。そして難しい位置からのゴールキックをSH美濃田が見事に決め、7-10と3点差に追い上げた。
 しかし前半30分、立教はまたもや自陣ゴール前でオフサイドのペナルティ。筑波はペナルティゴールを狙い、成功。7-13と再び離されてしまう。
 その後立教にもチャンスが訪れる。前半32分、敵陣ゴール前で筑波がペナルティ。立教はすかさずクイックスタートすると、SH美濃田がパスダミーを使ってディフェンスをくぐり抜け、ゴールラインぎりぎりまでボールを運ぶ。トライかと思われたが一歩のところで及ばず。そして敵陣ゴール前でのマイボールスクラムという次のプレーでも、ラックからパスを繋いで、CTB田中翔吾(2年・東京農大二)が力強く突破していくが、この時もゴールラインを割ることは出来なかった。立教はあと少しの所でチャンスをものにできない。

 そのまま前半が終了し、ハーフタイムとなった。
緊迫した表情でベンチに戻る選手たち。
絶対に勝つ。勝てる。全員でもう一度、気持ちをひとつにした。

 後半開始1分、敵陣22m付近で筑波がペナルティを犯し、立教はクイックスタート。ラックからSH美濃田が出したボールをSO浅川→CTB田中とつなぐと、田中が敵のディフェンスの合間をすり抜け、一気にゴールラインへ。しかしここでも一歩及ばずトライには繋がらない。次のゴール前でのスクラム。今度はSO浅川が前に出る。あと30cmというところで立教ペナルティ。惜しい場面が続く。
 その後は一進一退の攻防が続き、両者ともトライには繋がらない。
 しかし後半26分、自陣22mでの筑波ラインアウトから展開される。筑波はラックを繰り返しながら徐々に前進すると、ショートパントを蹴り、そのボールを筑波15番がトライした。ゴールも成功してスコアは7-20。
 後半30分、敵陣10m付近で筑波がペナルティを犯し、そこで立教はペナルティゴールを狙うが、惜しくも外してしまう。 
 その後も最後まで攻め続けた立教だったが、得点することは出来ず、ノーサイドを迎えた。
 
 7-20。惜敗。
 選手たちの目からは大粒の涙が溢れた。自分たちはもう、選手権には行けないのだ。
 勝てた。勝てる試合だった。誰もがそう思わずにはいられなかった。
しかし、負けは負け。この結果が覆ることはない。

 自分たちには何が足りなかったのか。立教は次への一歩を踏み出した。善戦ではもう終われない。勝たなければ――。



【美濃田樹のコメント】
(試合の感想は?)
前半は風下で不利な状況のなかで最低限の点差でおさえられた。欲を言えばもっと近差で折り返したかった。
後半、敵陣で試合をして逆転するというプランだったのだか、ミスのせいで、ゴール前まで行ったけど取り切れなかった。
(自分の役割)
敵のFWを撹乱する。今日は割とよくできた。
(次の試合へ向けて)
毎年負けているから勝ちたい。仲間を信じて、自分を信じて頑張ります。

【川崎監督のコメント】
(試合前半)
風下だったので点差は悪くない。全体的にチェイスの動きが良くなかったため隙ができてしまった。
(後半)
相手にはトライさせたくないという意地があった。目指しているラグビーは間違っていない。内側を攻めると逆にやられるということは言っていたのだが、大きく動かそうとしすぎて勿体ない場面があった。毎回勝ててない壁は意地が足りない。
(出来ばえ)
回転してない。100%機能はしなかった。
(次へ向けて)
まずはホームでのジュニアで勝つ。

文章:立教大学体育会ラグビー部、インタビュー:立教スポーツ