5月3日、初夏の陽気に包まれた慶大日吉グラウンド。
相手は昨シーズンの対抗戦で7―91という大敗を喫した慶應。
立教は3月から基本プレーの反復、特にコンタクトに重点を置いた練習をしてきた。単なる定期戦というだけでなく、対抗戦Aグループ復帰へ向けて、立教の成長を示す大事な一戦である。
「TOP!」
(=全力でぶつかり、相手を倒す。パス、コンタクト、ラン、オーバーなど一つ一つのプレーを本気でやること)
を目標に安武組はこの試合に臨んだ。
立教のキックオフから試合は始まった。
8分のPR緒方公俊(2年)のゲインや、直後のCTB小林道弘(4年)のライン裏へのキックはトライには至らなかったものの、立教が敵陣でチャンスを掴む。そして、前半13分。敵陣22mライン付近での慶応スクラム。そこからの相手ペナルティに素早く反応しボールを受け取ったCTB太田恭輔(3年)が見事なステップで2人をかわして先制トライ。SO木暮元就(4年)のキックも決まってスコアを7−0とした。
しかし、徐々に慶應FW陣が底力に発揮していく。18分、キックで22m陣内に侵入をされラインアウト。何とか耐える立教であったが、その後の相手スクラムからサイドを突かれ、トライを許してしまう。29分には、自陣ゴール前でのペナルティでスクラムを選択され、スクラムからそのままトライを奪われる。
「練習ではスクラム練習を中心にやってきた」と話した安武祐太主将であったが、大事なこの場面で耐え切れず、「スクラム強化」という課題が明確になった。
だが、立教も負けてはいない。
直後のキックオフからの攻防。前半33分、密集から苦し紛れに出たボール。球を拾ったのはWTB吉田勝博(2年)。一瞬、孤立したかに見えたが、すぐにサポートに入ったのはCTB小林。チーム随一の強靭な足腰を持つ小林は昨年度の対抗戦でもその実力は証明済み。慶應ディフェンスをハンドオフでかわしラインブレイクすると、そのままゴール右隅に圧巻の独走トライ。12−10と逆転した。
リードしてむかえた後半だったが、ここにきて再びタイガー軍団が牙を剥く。
後半5分、密集サイドを立て続けに攻められる。そして、サイドを抜かれ慶應SHにトライを献上。ゴールも決められ12−17。後半17分には立教22m陣内でペナルティを犯すと、すぐさま慶應がクイックスタート。CTB→WTBとつながれてトライを許してしまった。ゴール成功で12−24とさらに点差をつけられる。
この苦しい時間帯に立教は次々と選手を入れ替える。
WTB新谷哲平(4年)、SH市川謙(2年)らが交代で入り、流れを変えようと試みる。
すると後半24分に慶應19番が悪質なファウルでシンビン。数的有利という絶好の反撃機会を得る。
立教ペースになるかと思われたが、要所でのノックオン等のミス。結局、このチャンスを生かしきれなかった。
まだ、諦めない。生き続ける。
2007年度安武組が掲げたスローガン、「revive」。
部員たちからは「立教!reviveしろ!!」という声が何度も聞こえる。
立教の生命線である低く前に出るタックル――。
ラインアウトで何度かミスをしていたものの、この日はディフェンスで良いプレーを見せていたHO奥富雄一(4年)が、後半37分にその前に出るディフェンスから相手ボールをインターセプト。そのままゴール中央にトライを奪い、慶応に7点差に迫る粘りを見せる。
試合終了間際にも立教は攻め続けたがトライは奪うまでには至らず、17−24でノーサイド。惜しくも対抗戦A上位校に勝利はならなかった。
対抗戦Aグループ復帰へ向けた道のりは、決して楽なものではない。課題は山積みだ。
目標を一つ一つクリアしていきたい」と語った安武主将。課題を一つ一つ解消していけば、必ず対抗戦Aグループの舞台が見えてくる。
“revive〜for the win〜”
再び返り咲くために、濃紺の戦士は走り出した。
【川崎監督のコメント】
今日は現実的に立教の限界だった。物足りなかった。選手が意識を変えていかなきゃいけない。信頼できる選手しか試合には出さない。
春は基礎の徹底、そしてオプションをどれだけ増やせるか。オープン戦は通過点でしかない。一つずつしっかりやっていく。
【 安武祐太主将のコメント】
3月からやってきた“TOP”をちゃんとやりたかった。相手を圧倒したかった。良い所もあったが、考えてラグビーができていない。キックオフから気持ちを出していきたい。今年はバランスが取れたチーム、可能性を秘めたチームだと思う。練習でやってきたことを、試合でもっと出さないと。
(文章:立教スポーツ 清水昂)
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