11月24日(土) 対抗戦・学習院大学戦 @熊谷ラグビー場

 
 11月24日、熊谷ラグビー場。ここに来るには昨年の入れ替え戦以来だ。

対抗戦もついに最終戦。相手は春のオープン戦で76−0と圧倒している学習院大学である。しかし学習院は春とは見違えるようなチームに進化を遂げ、そして立教を追い詰めた。

立教のキックオフから試合は始まり、最初のプレーで立教がペナルティを犯す。「相手を受けてしまい、ミスもしてしまった」と主将・FL安武祐太(4年、大分舞鶴)は振り返る。序盤は常に自陣に進入され、耐える時間帯となった。学習院FWのプレッシャーが厳しく、スクラム、モール共に前進を許し、そこからの素早い展開に慌てる場面が目立つ。一時はゴール目前まで迫られるピンチを招いてしまうほど。それでも立教はしぶといディフェンスでゴールラインこそ割らせない。
前半はほとんど敵陣に入り込む機会はなく、少ないチャンスもミスでトライに結びつけることができなかった。そして両者譲らずに0−0で前半終了。勝負の行方は後半に託された。  

だが後半に入っても立教は流れを作れない。この嫌な流れで、後半15分、なんと学習院に先制点を奪われる。それはターンオーバーから学習院の速攻を浴び、ライン際を走られトライを許したものだった。さらには23分には自陣10mライン付近で学習院にPGを選択される。これも決まって0−10。立教は窮地に立たされた。  

それでも「試合中は全員が勝つと信じてやっていた」(安武)。

26分、立教は敵陣22m内でスクラムのチャンスを得る。とにかく反撃したい場面で、No.8三根大介(3年、國學院久我山)がスクラムサイドを突進しゴール前まで迫る。そこからSH美濃田樹(2年、尾道)が素早くBKに展開すると見せかけて、ラックサイドに切り込んで抜け出し、ゴール中央に飛び込んだ。見事なパスダミーからの技ありトライにスタンドからは歓声が上がる。
あと3点――。さらに得点が欲しい立教。
そして残り5分を切ったところで、ついに逆転に成功する。 敵陣での相手ペナルティからクイックスタート。左ラインにすぐさま展開する。球を受けたCTB小林道弘(4年、東農大二)がゴール手前を狙ってキック。不規則に転がったボールに慌てた学習院が自らインゴールに持ち込んだため、立教の5mスクラムとなる。 この最大のチャンスでFWが奮起。粘り強くサイドと切り崩していくと、最後はLO吉松謙仁(2年、東福岡)が逆転のトライ。SO佐々木哲也(4年、松陽)もゴール成功で14−10とした。 残り時間、最後の最後まで学習院の猛攻に耐え、ついにノーサイドとなった。崩れ落ちる学習院の選手たちに対し、立教の選手たちは安堵の表情を浮かべた。

迫る決戦を前にして思い出す、あの時の光景――。 8−13。

立教は成蹊に負けた。あの敗北から、あと少しで1年が経つ。「もう絶対にあんな思いはしたくない」という主将の安武。この1年間はただ勝利だけを求めて、必死に努力を重ねてきた。
そして、再びやってくる運命の日。

去年とは立場は違う。今度は立教が挑戦者だ。立教ラグビーの象徴である「タックル」。どんなに大きな相手であろうと、怯むことなく立ち向かっていく。そのひたむきな姿は見る者の心を震わしてきた。

そんな挑戦者としての意地。決して失うことのなかった「濃紺の誇り」。

泣いても笑っても、次が最後。「全ての思いをぶつけたい」(安武)。大勢の観客を沸かした最高峰の舞台へ返り咲くために。

“revive〜for the win〜”

そのストーリーの最後には、必ずや「勝利」の二文字が刻まれる。



【川崎監督のコメント】
(今日の試合は?)最悪ではない。ただ春みたいに甘くないと思った。学習院のすごく出来がよかった訳ではない。立教の出来はよくなかった。単なるミスだけではなく、こういうゲームになってしまうのが実力でしょう。
(次の入れ替え戦)青学は格上の相手。必死にくらいついて勝ちたい。勝たなければいけない。
(残り2週間でやること)まずはラグビーと向き合うこと。日頃の練習が全て。しっかりやらなきゃいけない。変わったことはやるつもりはない。いつも通りのことをどれだけ追い込めるか。


【安武主将のコメント】
試合中は全員が勝つと信じてやっていた。自分が最初のプレーで反則してから、相手を受けてしまいミスもしてしまった。 学習院の選手は最初から勝ちたいと思っていた。学習院は「春に負けてから立教に勝つためにやってきた」と聞いた。どこか心の中に油断、スキがあった。
(良かった点は)勝たないといけないところで、自力でトライを取りきれたこと。
(課題は)試合の入り、セットプレーのラインアウトとスクラム。外に振るときに一人が孤立して、少しバラバラになっていた。
(去年降格したときの気持ち)全てが終わったと思った。先が真っ暗になった。悔しさも相当あったが、とにかく頭が真っ白になった。
(この1年間の思い)3月にチームがスタートした時、もう絶対にあんな思いはしたくない、絶対に一部上がってやるって思った。それに加えて一部に上がっても戦っていけるような土台を作る。まずは一部に上がること、成蹊との入れ替え戦で勝つ、という思いだった。
(入れ替え戦に向けて)去年負けた成蹊を目標にむけて今までやってきた。青学になって驚いているが、Aに上がることが一番の目標。ひたむきにチーム一丸で戦いたい。間違いなく去年よりやってきてる。一年間辛いこともあった。もう全ての思いをぶつけたい。やるんじゃなくて、やらなくてはいけない。
(入れ替え戦まで)あと2週間でも成長はできる。新しいことやるわけではなく、さらにチームが成長できるように。監督やコーチにどんなことを言われても、やるのは自分たち選手。今日の気持ちを忘れないで、死ぬ気でやっていきたい。

【小林道弘のコメント】
(今日は?)学習院ペースだった。相手は立教のラインアウトを研究しつくして、その通りに止められてしまった。そこの修正。BKも自陣で回してしまい、ペースを掴めなかった。敵陣で試合ができるように。
(昨年、降格が決まったときの気持ち)一人よがりのプレーが多かった。そこが自分が情けない。今年はその点を直す。
(一年間どんな思いで入れ替え戦に懸けてきたか?)勝つのみ。負けたら一年間が無になる。勝利のみ。格好悪いプレーをしてでも勝ちにこだわる。
(青学戦に向け)春の時は前半がダメだった。今度は前半に主導権を取れるように。FWで勝負。とにかく勝利あるのみ。

(文章:立教スポーツ 清水昂)