2021年9月6日(月)

村田 裕太(4年・LO/FL/NO.8)

「辛い時こそ、丁寧に」

立教ラグビー部を選んだのはなぜですか。

 高校3年生の秋に指定校推薦で立教大学への進学が決まり、ラグビーは高校までで終わりにし、俗にいう“キャピキャピキャンパスライフ”を送ろうと思っていました。しかしラグビーをしていない自分が想像できませんでした。「自分からラグビーを取ったら何も残らないのではないか」と思っただけではなく、「ラグビーをしている時が輝いている」と周りに言われました。そして花園に出場したときに「まだラグビーをしたい」と思い、立教ラグビー部への入部を決めました。

今までに出場した試合で一番記憶に残っているのはどの試合ですか。

 高校時代は花園出場権をかけた北海道地区大会決勝、大学進学後は、2019年の関東大学対抗戦入替戦が記憶に残っています。北海道地区大会決勝は、高校2年生の時に負けてしまい、高校3年生の年では「今年こそは優勝して花園にいくぞ」と意気込んでいました。しかし、後半15分で脳震盪になり試合を抜けなければならなくなってしまいました。副キャプテンを務めていたこともあり仲間と戦うことができない状況が本当に悔しかったです。病院のベッドで試合に勝ったと聞いたときは号泣しました。

 入替戦は、2年生でスタートメンバーに入れたのが自分しかいなかったこともあり、責任も重かったですし、自分が1年生の時に負けてしまった分、その空気感に緊張しました。昇格が決定した瞬間は、入替戦までの努力に加え、メンバーに選ばれた時からのマインドセットを全うできたと実感し、感動しましたし記憶に残っています。

関東大学対抗戦入替戦はどんな気持ちで臨みましたか。

 “自分がチームにできることを全て出し切る“というマインドを入替戦の2週間前から常に念じ続けていました。スタートメンバーのジャージをチームから与えられている以上、当たり前の責任だと思いますが、同時に非常に難しいことだと思います。全ての選手が全試合で自分の納得のいくプレーをすることは、どれだけ完璧な準備をしていても、うまくいかないことのほうが多いのかもしれません。しかし、15分の1の責任の中で、"自分が求められている役割"、"自分の強みを確実に発揮する"この2点を全うすることがメンバーに選ばれた理由であると認識することで、自分の納得のいくプレーが生み出されていくことに気づかされました。「求められていること以上のことをするな」というと、少し無責任な言葉に聞こえるかもしれませんが、「頑張るな」という意味ではなく、頑張りすぎて自分のやるべきことが見えなくなるよりは、やるべきことを確実に行うことにフォーカスしようと思いました。このマインドセットのお陰で、試合では自分の役割を全うできたと、昇格の瞬間に感じました。

ラグビー人生での挫折はありますか。

 たくさんあります。ラグビーを始めてから10年が経ちますが、未だにラグビーが苦手です。いつも目の前のプレーに没頭しすぎて、何をどうしたらこうなるとか、試合の中で考えることができなくなってしまいがちです。特に大学では1年目からずっと先輩や同期に「また村田かよ」「またあいつか、脳筋だから仕方がない」と怒られっぱなしで毎日のように悔しさがこみ上げていました。特に当時4年生だった大旗さん(山本大旗・平成30年卒)によく怒られていましたが、練習前後に沢山質問をして自分のできていない部分と向き合っていました。そのような心がけの結果として、少しずつ試合に出させてもらう機会が増えていったと思います。怒られた時には、「自分は使えない人間なのだ」と思うこともありました。しかし、何とか腐らずにラグビーを続けることができたのは、心の底に“苦しい時間を我慢して乗り越えると必ず最高の成果が出る”という、ラグビーで学んだ成功の経験則があったからだと思います。たくさんの挫折はあったものの、このマインドが功を奏し、プレーもメンタルも強靭なものにできたと感じています。 

自分の弱みと強みはありますか。

 弱みは怪我をしやすいということです。春シーズンは首のヘルニアで運動自体が出来ずすごく焦りました。引退までの残り少ない時間の中、怪我で試合から外れることは、精神的にも不安が大きかったです。そのため、怪我予防プログラムや栄養面・ストレッチなど今まで以上に入念に行っています。

 強みは接点などのコンタクトプレーです。特にボールをもって相手を弾き飛ばすことや、引きずりながらも前に進み続けることは、自分の持ち味であり強みであると思います。試合ではチームにいい流れをもっていくことができるように、自分の強みを最大限に発揮し、勝利に貢献します。また、自分と向き合うことができるのも大きな強みだと思います。周りの人のことを考えて発言していくことも大切ではありますが、いい意味でまず“周りよりもまず自分がどうなのか“ということを考えることが多いです。自分が怒られた時には萎えてしまうのではなく、なぜ怒られたのか、なぜ上手くいかなかったのか、を冷静に分析します。中学・高校時代の監督に「辛い時こそ、丁寧に」という言葉をもらいました。辛いこと・うまくいかないことがあるときこそ、そこから目を背けずに向き合って、誰よりも人一倍丁寧に取り組むことを意識し続けたことで、ラグビー以外の部分にもそれが活かされていると思います。

立教ラグビー部としての生活も残り少しですが、どのように過ごしたいですか。

 ラグビー競技人生10年間の集大成なので、自分が出来るすべてのことを最後の瞬間まで後悔がないように出し切って引退したいと思います。本当に沢山のことをラグビーから学びました。立教ラグビー部に入部したことにより、普通の人が味わえないような素晴らしい経験をたくさんさせていただきました。だからこそ、最後まで自分らしく一所懸命に頑張りたいと思います。後輩に対しても、積極的に自分の経験を伝え続けていこうと思っています。

期待する後輩はいますか。

 全員と言いたいところですが、手塚(手塚一乃進・2年)、比嘉(比嘉一葉・2年)、藤井(藤井賢太郎・3年)、ボブ(太田昌利・2年)には期待しています。ロックというポジションは立教の中でも特に重要なポジションの一つです。スクラムの中心でありながら、ラインアウトではモールの主軸となり、フィールドでも体を張って戦います。そんなタフな役割だからこそ、求められる期待は大きいです。特に、手塚や比嘉は身長も高く、ロックに不可欠な貪欲さもあると思います。手塚はラグビーを始めて2年しか経っていませんが、ラグビーに対して純粋に取り組んでくれています。比嘉は、ラグビー歴も長く、フィールドで暴れたら怖いだろうなと思います。藤井は、いつもはふざけていますが、やるときはやる良い選手です。ボブは、自分に似ている部分があると思います。コンタクトプレーやフィジカルに振り切っている部分が強いように思いますが、フィールド上でのプレーの幅を広げていってほしいです。この4人には、これからの立教ラグビーで、FWの精神的支柱となり、立教のロックがすごいと言われるまでに成長してもらいたいと期待しています。

関東大学対抗戦への意気込みをお願いします。

 このような状況でありながら、歴史ある伝統校と試合をすることができることに感謝し、思いっきりラグビーを楽しみたいです。その上で、チームの目標である"対抗戦Aグループでの3勝以上"に向け、自分の背中で仲間を引っ張っていきたいです。まだまだ頼りない背中ではありますが、試合後には「村田がいてよかった」と言ってもらえるように、自分自身も成長しながら邁進していきたいです。“対抗戦に出場する“というよりは、"立教の代表の15人として出場する"という心持ちで臨みます。

HPをご覧の皆様にひとことお願いします。

 いつも応援してくださりありがとうございます。立教ラグビー部はまもなく創部100周年を迎えます。立教ラグビー部の礎になるようなプレーや、今年のチームスローガンであるEXCEEDを実行して邁進していきたいです。個人としてもチームとしても、立教が掲げている勇敢でひたむきなプレーを、チームを通して伝えていくことが出来たらいいなと思っております。これからも応援の程、宜しくお願いします。

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