2022年4月6日(水)

熊田 聖道(4年・PR)

「不退転の覚悟」

 

副将に決まった時の気持ちを教えて下さい

 自分が幹部になるイメージは全くなかったので、副将に決まった時には驚きと不安がありました。幹部を務めることが決まった瞬間、身体が震えたことを今でも鮮明に覚えています。しかし、周りから必要とされ副将に決まったからには、やるしかないと腹が決まりました。今年のチームに適した副将として選んでいただいた以上、「自分にしかできない役割である」と今では自信をもって正面から向き合うことができています。

 これまで津田さん(津田祥平・令和元年卒)、北山さん(北山翔大・令和2年度卒)と母校(東海大学付属大阪仰星高校)の偉大な先輩方が立派に幹部を務めあげられたので、自分も、紀伊(紀伊雄介・4年)と海志(安藤海志・4年)と一緒にこのチームを背負うことができるということを誇りに思います。ラスト1年、駆け抜けたいと思います。

 

副将になってから、自身の練習に対する意識、姿勢などで変化したことはありますか。

 根本的な部分は副将になる前と比べ、何も変わっていません。特に、誰よりも熱く声を掛け、身体を張り続けることは今まで以上に取り組みたいと思います。

 意識的な部分でいえば、前よりも周囲に対しての目配り、気配り、心配りを考えるようになりました。これまで自分にしか向いていなかった意識を、練習中だけでなく練習以外の場所でもチーム全体に向け行動するようになった部分は、1年前の自分と比べ大きく変化した点です。

 どのような行動にも「副将」という肩書きがついてくるので、中途半端な行動は絶対にできません。同期や後輩の行動に対して見て見ぬふりをすること、甘やかすこともできません。下級生に厳しいことを言わなければならない場面も多くなるので、自分が一番練習やトレーニングに真剣に取り組み、苦手なフィットネスも誰よりも声を出して盛り上げるなど、自分の行動で周りに説得力を持たせるということを、副将になる前よりも考えるようになりました。

 例えば、同期や後輩に対する声の掛け方一つを取っても、前は自分のペアや同じポジションの後輩にだけ接することが多かったのですが、副将はチーム全体を見なければならないので、ポジション、FW、BKなど関係なく声を掛けるよう意識しています。その際、言葉や内容もとても大切ですが、特に伝え方が前と変化したと思います。今までは一方的な声の掛け方でしたが、そのように接していても変わらないのではないかと感じ、もっと本質的な部分に立ち返って「なぜできないのか」と、もう一歩踏み込んで一緒に考えるようになりました。

 「副将だから誰よりもやらなければ」と、気負うというよりは「今、自分が副将としてできることは何か」を考えることが多いです。その中で純粋に「もっと皆と一緒にラグビーがしたい」という想いが大きくなりました。そのような想いから、ダウンが終わった後にもう一度皆でスパイクを履いてスクラムを組むなど、自主練習をする時間も長くなりました。自分はフロントローの部員と自主練習をすることが多いですが、そのような自分たちの姿を見て、他の部員も今まで以上に貪欲に自分のできることを探し、取り組むことができる環境になれば良いと思います。

 

目指している副将像はどのようなものですか。

 一般的によく言われている主将像は「チームを先頭で引っ張る存在」、副将像は「チーム全体を俯瞰して見て、隅々まで目を向ける存在」です。もちろん、そのような要素も副将に求められることだと思います。しかし、今年は主将が二人いるので、チームのサポート役だけでなく、一歩進んだ新しい、自分にしかできない副将を体現したいと考えています。その上で、自分が考える副将像は「チームの火付け役」です。主将が二人体制だからこそ、例年通りの模範的な副将にとどまっている必要はありません。自ら進んで、チーム一人一人に火をつけることが自分の役目です。

 

副将としてチームにどのように貢献したいですか。

 主将二人に付いて行くのではなく、圧倒的な熱さでチームの皆を巻き込み、追い付き、追い越すことを目指してチーム全体が主将よりも勢いのある環境を作りたいですし、それが自分に求められていることだと感じています。グラウンド外では、何か上手くいかない選手や、悔しい思いをして沈んでいる選手に積極的に声を掛け、そのような選手の意見も聞きたいですし、「彼らのやる気を引き出したい」「闘志を燃やしたい」と強く思います。

 自分は怪我も多くなかなか試合に出ることができず、悔しい思いをした時期もあったので、上手くいかない選手の気持ちもよく分かります。そんな自分だからこそ、「このチームにとってどのような存在でありたいか」と言われると「火付け役」でありたいです。主将の目が届かないところまで目を配り、気を配り、心を配り、声を掛けることは、自分にしかできないことだと思います。

 

新チームが始動してからまだ日が浅いですが、副将という立場から今のチームを見たとき、今年のチームはどのようなチームですか。

 一言で表すと今年のチームは「ドМ」です。主将である紀伊、海志を筆頭にモリゲン(守源・4年)、佐渡(佐渡亮太・4年)、山田(山田志門・4年)、時来(北川時来・3年)、ボブ(太田昌利・3年)、羽間(羽間圭司・3年)など、コンタクトプレーやウエイトトレーニングなどにおいて自分を追い込むことが極めて好きな選手が多い印象です。その熱量やチームに対する意見を周囲に伝達することができる人が増えることでチーム全体として、もっと貪欲に「強くなりたい」という気持ちが強くなるはずです。

 また、今年のチームには自分の得意なこと、やりたいことに熱量を持ち、こだわることができる部員が多いですし、自分もその中の一人です。「自己中心的」という言葉で表現してみればネガティブな印象を受けますが、やりたいことをしているからこそ、一つ一つの勝負ごとに本気で向き合う負けず嫌いな部員が多いと、ポジティブに捉えることもできます。そのため、シーズンが進むにつれて各々の取り組みを部員同士で共有するなどコミュニケーションを取って周りを巻き込み、良い習慣を伝染させていって欲しいです。

 

これからの春シーズンと夏合宿を通して、チームにどのように変化して欲しいですか。

 今年はチームとして、「大学選手権出場」という目標を掲げています。春シーズンは同じ目標を目指すレベルの大学と戦うため、大学選手権出場から逆算して考えると、結果としては春シーズン・夏合宿での試合は全勝を目指さなければなりません。それに加えて夏合宿には、秋シーズンに向けチームが成熟した状態を作らなければなりません。

 「大学選手権出場」という高い目標を掲げたからには、試合出場メンバーが固定化してしまうのは良くありません。そのため、春シーズンは良い意味で頻繁にメンバーの入れ替わりが起こり、チーム内でのメンバー争いを激しくすることでチームとしての振れ幅を広げる必要があります。そして、夏合宿では春シーズンで広げた可能性の中から良いものを研ぎ澄まし、秋シーズンに臨みたいです。そこで、春シーズンは秋シーズンを見据えて結果を出すということは前提に、失敗とチャレンジのシーズンにしたいです。

 

共同主将を務めるお二人について教えて下さい。

 紀伊、海志とはプライベートでも仲が良く、人として尊敬することができる二人です。紀伊は自分に対しても、誰に対しても「まっすぐで熱い男」です。背中で語る「勝ちたい」「大学選手権に出場したい」という想いはチームの中でも一番ですし、目標を誰よりも体現しています。彼は一見すると、イケメンで口数が少なくクールに見えるかもしれません。しかし、彼の芯の部分の熱さを知ることができれば、今よりも彼に惚れ込むこと間違いなしです。一方で海志は「わがままに熱い男」です。ラグビーのセンスもずば抜けており、主将街道まっしぐらだと思います。彼は、自分がこれまで培ってきた経験に自信がありますし、考えていることをすぐに行動に移す実行力と、意見に対して全員を頷かせることができる圧倒的な求心力もあります。

 二人とも、熱さと絶対的なカリスマ性を併せ持っており、主将が二人だからといってお互いに甘えようなどとは全く思っていないと思います。「共同主将」とはいえ、「どちらがよりチームを背負う覚悟があるのか」ということは常に高めあっていくのだろうと想像しています。自らの背中でチームを導くことができる紀伊の「まっすぐさ」と自らの言葉でチームを導くことができる海志の「わがままさ」が合わされば、必ず大学選手権に出場できると思います。

 

期待する後輩について教えてください。

 もちろん全員に期待していますし、立教大学を代表する覚悟のある選手は多くいるでしょう。その中でも、二木(二木翔太郎・3年)、太陽(田中太陽・3年)、篠原(篠原優太・3年)、濱野(濱野浩征・3年)、三邊(三邊晃太郎・2年)に期待しています。

 二木は、今年絶対に一皮剥けなければならないと思います。彼は、とても自分に厳しく、ウエイトトレーニングもしっかり取り組み、フィジカルも強いので今年のチーム色を象徴するような選手ですが、上級生になるにあたり周りのことにもっと目を向け、自分が思っていることを周りに発信していく能力を磨く必要があります。部員と正面からぶつかって意見を言い合うことができるような選手になって欲しいです。優しく温厚な二木ですが、それだけで終わらずもっと燃えて欲しいです。

 太陽は、社会学部の後輩ということもありますが、今年のFWの中で最も輝くことができるポテンシャルを持っているので期待しています。運動量と思い切りの良さはピカイチなので、体重とそれに伴うパワーを身につけることができれば、必ず関東大学対抗戦Aグループで活躍することができると思います。     

 篠原は名前を出してあげないと泣いてしまいそうなので、入れます。彼は誰よりも愚直に努力し続けることができます。また、自分の不器用さも自覚し人より長い時間コツコツと積み上げることができる才能を持っています。いつになるかは分からないですが、今まで努力してきたことが一本の線につながり、発揮することができれば、師匠(勝沼遼・令和3年度卒)超えすることができるでしょうし、来年以降のFWを背負い立つことができると思います。

 濱野は、変わり者で考えが読めない選手ですが、サイズとスピード感はチームでも頭一つ抜けています。また、部室の掃除も率先して行い、毎日遅くまで自主練習を欠かさない努力家です。まだまだ不器用で増量など課題はありますが、いつか大成すると思うのでこのまま積み重ねて欲しいです。

 三邊は面倒くさい自分にかまってくれ、無茶ぶりにめげずにチャレンジしてくる素直さを持っています。トレーニングも真面目に取り組み、日を増すごとに身体も大きくなってきているので、あとはその素直さで更に彼の強みを磨くことができれば、もっと良い選手になるはずです。

 

今年度は「大学選手権出場」が目標ですが、今のチームでどのようにアプローチしたいと考えていますか。

 各々が勝利に向けて努力し続けることはもちろん必要ですが、今年の目標達成のカギを握るのはセットプレーだと思います。昨年の青山学院大学戦・筑波大学戦などのターゲットゲームであと一歩届かなかった試合はすべてセットプレーでチャンスを失ってしまいました。今年は、昨年の反省を活かしてセットプレーで勝つことはもちろんのこと、今年のメンバーはそこに対して必ず強みを発揮することができるメンバーだと思います。

 また、立教大学ラグビー部は他の大学に比べて人数も少なく選手層も薄いですが、だからこそ全員の力を合わせた総力戦ができることが魅力です。例えば、練習やミーティングはAチーム、Bチームで分けずに一緒にします。スクラムに関してもAチーム、Bチーム混ぜて組み練習しています。「全員の力を合わせて」というと安く聞こえるかもしれません。しかし、部員一人一人の持つ力や可能性を合わせることが立教大学ラグビー部としてやるべきことなのではないかと思います。立教大学ラグビー部には、試合出場が確約された圧倒的なスター選手がいません。よく言えばどの学年、どのポジションの選手にも努力次第で試合に出場し、ファーストジャージを手にするチャンスを掴むことができると言えます。全員で競争し、必ず目標を達成するために、私が率先してチームに火を付けたいと思います。

 

HPをご覧の皆様に一言お願いします。

 日頃から多大なるご支援、ご声援をいただきありがとうございます。今年は必ず大学選手権に出場し、立教の新たな歴史の「一歩」を踏み出します。今後とも熱いご支援、ご声援を宜しくお願いいたします。

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