Locker Room
Locker Room

2023年11月2日(木)
【ラストシーズンを迎えて③】
4年生にとって、最後となるシーズンが始まりました。この連載では、残り2回にわたりペアごとに互いに4年間で成長したと思うことや、自分にとって相手はどのような存在かを語っていきます。
〈篠原優太×新垣颯太×手塚一乃進〉
・篠原優太(PR)
手塚一乃進は、ラグビーのことになると豹変します。スクラムでもラインアウトでも、全てのセットプレーで圧倒的な存在感を見せます。また老体に鞭をうちながら巨大な体躯を動かし、グラウンドを駆け回ります。大学からラグビーを始めた彼ですが、ウエイト場では誰よりも自分を追い込み、他校を分析してラグビーを貪欲に知ろうとするカズのことを尊敬してやみません。またチームでは圧倒的最年長なだけありみんなのお兄ちゃんとして立教大学ラグビー部にはいなくてはならない存在です。そんな手塚一乃進に大注目です!
新垣颯太は、ラグビーのことになると豹変します。トレーナーとして選手をとんでもない強度で追い込み、超絶怒涛の食事管理をかましてきます。そして自身もリハビリにおいてトレーニングに参加することで有名で、選手よりも速く走り、鋭いコンタクトを見せつけてきます。X DAYもやりました。その結果、試合のメディカルとしては他校のトレーナーと比較して圧倒的にデカく、存在感があります。そんな新垣はチーム2番目の年長者でありながらチーム全員から同期のように扱われる立教大学ラグビー部にはいなくてはならない存在です。そんな新垣颯太に大注目です!
・新垣颯太(TR)
なぜか浪人トリオとして三人まとめて呼ばれることの多い篠原と手塚を振り返ってみる。学生トレーナーとして振り返ると篠原くんは怪我が少なくリハビリに来た記憶があまりない。良い選手ですね。それなのに椿さんと和田さんによく相談をして、仲が良いイメージがあります。どんなトレーニングや逆境でも吐いて吐いて吐きまくって自らを追い込み、服が脱げてもグラウンドに立ち続ける篠原を素直に尊敬しています。
2年生のときは勝沼さん(令和4年卒・勝沼遼)について回っていた篠原が4年生になり後輩にめちゃめちゃ愛され、練習後に一緒にスクラムを組んでる姿を見て感慨深いです。試合で活躍すれば大歓声がベンチや応援席から聞こえる姿は羨ましいです。先輩、後輩、同期のみんなからも愛され、応援される人間性は彼の愛くるしい豊満なボディから自然と醸し出されているんだと思います。おしゃれな冬服で富士見にくる彼を見られる機会も残念ながら少なくなってしまいました。PRとは思えないステップやスピードで前触れもなくラインブレイクし、トライをとりきれる篠原の勇姿を少しでも目に焼き付けたいと思います!
学生トレーナーとして振り返ると手塚くんは怪我がとても多い選手でした。だめですね。ロックという負担の大きなポジションとはいえ、大学ラグビーの半分以上リハビリにいたと思います。終わってます。しかしそのおかげでよく下半身と肺をいじめ抜かせてもらいました。地獄を見せられていたら嬉しいです。1年生のときから僕を信じてトレーニングを任せてくれてありがとう。カズはルールも分からない状態で入部したのにも関わらず、経験者や厳しい練習に食らいつき、今や立教のFW陣を引っ張る存在、いや、チームの大黒柱になっていることを自分のことのように誇らしく思います。またカズとは学部学科、第二外国語も全て同じで、グラウンド内外問わずとても長く、何もかもが濃すぎる時間を一緒に過ごしてきました。手塚家には家族ぐるみで大変お世話になり、一人暮らしの自分にとって実家のようなとても温かい時間を過ごさせてもらいました。これからも宜しくお願い致します。足立区生まれの威圧感と強靭な肉体から生み出されるコンタクト、バスケで培った柔らかなキャッチングに注目しピッチサイドから応援しています!
・手塚一乃進(LO)
なぜこの組み合わせなのか。おそらく浪人同士、というマネージャーの粋な計らいと前向きに捉えて2人について綴る。(もう1人分析の方が隠れているのはご愛嬌)篠原くん。彼の部屋は汚い。強盗が入ったのかと毎回思う。この部屋で何かを無くせば絶対に出てこない。僕の大きいズボンでさえ見つからなかった。冷蔵庫もまた小さな地獄。汚い。けれど、彼の心は誰よりも綺麗である。おそらく部員全員が感じていると思うが、彼は誰に対しても優しく、皆それに甘えて色々な相談事をしている。どんな状況でも前向きで、苦しい時は一緒になって頑張ってくれる。そんな美しい心の持ち主だからこそ、皆が頼りにしている。練習後、きつい状況にも関わらず、後輩からスクラムの練習をしたいと言われれば二つ返事で、「もちろん、やろう!」と応える。僕には到底できない。優太という名前の通り、本当に優しい人間だ。ただ彼が優しいのは周りに対してだけであって、自分にはめっぽう厳しい。日頃のウエイトはさることながら、練習後も、オフの日も、欠かさずウエイトに取り組んでいる。だからこそ、一年次より身体は見違えるほど大きくなった。真面目に、そして貪欲に頑張り続ける。その姿を当然周りは見ており、彼の頑張りに鼓舞された選手は多いはずだ。僕自身もその1人である。今日は疲れたから早くあがろう思った時、1人ウエイトルームで追い込む大きな選手がいた。別に、帰っても良かった。しかし気づいたら、自分もベルトを閉めてシャフトを持ち上げていた。横でひしひしと感じた彼の努力。それに動かされた。そして彼の努力はスクラムにでている。「強くなりたい」、その一心で戦い続ける彼のスクラムが弱いはずがない。人よりも何倍もラグビーにかける「想い」が違うし、部員全員の彼への「想い」も大きい。だからこそ、彼のスクラムはめちゃくちゃ「重い」。残りわずかとなった大学ラグビーの生活。君の頑張りが、チームに共鳴し、一層チームを強くする。辛い時は周りを見てくれ。全員が君を支える。共に最後まで戦おう。
新垣くんは革命家であり、バーテンダーであり、漢であるS(Sはある時使ってた名前)。彼には公私共に世話になっている。彼との時間は長い。けれどいまだに彼の生態は全く理解できない。バイト先から廃棄予定のラーメン100食持って帰ってきて、夏の間毎日ラーメン健康生活を実施していた。当然その頃は金欠だからトッピングとかスープは無い。ただの麺に醤油と卵をかけただけのラーメン。これを一か月なんてすするTVですらやらない。もはや耐久レース。だがこれは、彼の精神力の強さ、身体のタフネスを同時に証明している。トレーナーでありながら、選手と同様にハードなウエイト、ランメニュー、全てを選手と同じ目線で同じようにこなしている。今年で4年目であるが、過去に彼ほど戦うトレーナーがいただろうか。誰かに言われるわけでもなく、過酷な道を選び、ましてやX DAYという地獄すらもやってのける。自ら率先してハードに取り組む。人として尊敬できる。ただ、彼の頑張りは、自身の自己満足ではなく、全てチームのためを思ってやっているという事を知ってほしい。居酒屋に彼はなぜかよく出没するので、時折ラグビーの話をするが、毎度彼の熱く、強い想いに胸を打たれ、ハイボールを飲み過ぎてしまう。身体をデカくしているのは、リハビリから復帰していく選手のコンタクトに耐えうる身体を作るため。ハードなリハビリメニューを自ら行うのは、選手の目線で考え、より改善点はないのかを模索するため。皆に文句を言われながらも、きついメニューを提示して選手にやらせるのも、選手に強くなってもらうため。そしてチームを強くするため。彼の行動は、全てチームに還元されている。自分自身、体重を増やして、関東大学対抗戦で戦える身体を作りあげることができたのも彼のおかげである。リハビリ経験者ならわかると思うが、辛い時、横でデカい声を出して鼓舞してくる新垣に、「この野郎」「後で絶対ぶっ飛ばす」と思いながら、何クソ根性根性で限界を突破する事ができる。そんな新垣颯太という人間を、僕は心から尊敬している。面と向かっては絶対言いたくないのでこの場で言う。「ありがとう」。シーズン残り僅かとなったが、共に魂燃やそう。